自宅でひとり、自身のヴォーカルとアップライト・ピアノ、壊れたスネア・ドラム、身のまわりにある本、テーブル、窓や自身の手拍子などを素材にサンプラーや多重録音を駆使し、ミニマルながら細部まで丁寧に作り込まれた音世界は、静謐にして独創的。アコースティック・ギターをメインに制作し、デモを聴いた御大チャド・ブレイクがミックスを買って出たデビュー・アルバム『Tell Me The Ghost』から4年、よりパーカッシヴなサウンドを軸にしながらも、白昼夢のような浮遊感や、淡いモノクロームの陰影から滲む余情といった、彼の本質的な魅力はさらに深く、私たちの胸を打ちます。