後のロック・シーンを背負って立つメンバーたちがブレイクする前の、放送用ライヴ録音を発掘!スティーヴ・マリオットが抜けたスモール・フェイセズの3人、ロニー・レーン、イアン・マクレガン、ケニー・ジョーンズにジェフ・ベック・グループからロッド・スチュワート、ロニー・ウッドが合流。バンドが結成された69年にシングル・デビュー。70年に1stアルバム『First Step』をリリースした。ここに収録されたのは、そんなバンドの初期にBBCに録音したスタジオ・ライヴ音源をまとめたものだ。フェイセズはBBCの名物DJ、ジョン・ピールのお気に入りということもあってか、BBCへの出演は多く、71年以降も多くの音源を残しているのだが、あえて初期に絞ったというところがいい。実のところ『First Step』はメンバーたちの後の名声を考えればまだまだ本領発揮とは言えない作品で、それほど評価が高いわけでもないのだが、このライヴ録音で聴くとどうだろうか。メンバー全員が既にプロとして数年のキャリアを誇り、やはりライヴの場になると相応の熱量と引力を生み出していて、バンドが本来持っているポテンシャルが見事に引き出されていて聴きどころは多い。ロッドがソロ活動を並行していたことで後に亀裂が生まれるが、ここでは全メンバーが対等に渡り合っていて、バンドとしての魅力も存分に味わえる内容になっている。収録されているのは、ジョン・ピールの“Top Gear”が2回分と、Dave Lee Travis Show、Sunday Concert、そしておまけ的にクリスマス企画のThe Top Gear Carol Singersの一員として参加したときの録音も収録。放送用のスタジオ録音なので音質も良く、ロック・ファンならマストな音源集だ!