El Cielo 2020(エルシエロニイゼロニイゼロ)は、ピアソラを専門に奏する四重奏団(ヴァイオリン・チェロ・ベース・ピアノ)で、ライブの熱量にこだわり、結成5年後の2020年に1st『Astor Piazzolla』をリリース、ジャズやポスト・ロックのフリークからも好評を博した。1stから約2年、こなしたライブの数も相乗し、2ndは精錬の密度を増している。ピアソラ作品の中では比較的ポピュラーな『リベルタンゴ』や『ミケランジェロ』等を収録していた前作に比べ、エルシエロの特性がより生かされるコアな楽曲を選択している点も大きい。ひしめく音は、バンドネオンの不在よりむしろ、楽曲を建造物として鮮明化する。退廃の色気などもさることながら、縦の振幅が高く聳え、最終曲『天使の復活』にてピアソラの復活が結節する。 (C)RS