山下達郎に重用された日本一のスライド・ギター、松浦善博率いるアイドルワイルド・サウスは、和製オールマン・ブラザーズと名高く日本ロックの歴史に残る名バンド、そのライブ・パフォーマンスは今でも語り草である。オリジナル曲から成るアルバム1枚残しただけだったが、十八番中の十八番、オールマン・ブラザーズのカバーを中心に、ライブ・バンドたるアイドルワイルド・サウスの真髄と魅力が大いに発揮された初のライブ・アルバムが、結成後49年目にしてオリジナル・メンバーの監修により発売となる。DISC1は結成直後74年のレア音源から、勢いに乗った頃、77年のレイナード・スキナード来日公演でのパフォーマンスまでをまとめた70年代の音源で編成した全13曲。DISC2は90年代末期の再結成時のライブから長尺ナンバー中心に円熟味溢れる演奏が楽しめる。中でもオールマン・ブラザーズを超えたと思わせる18分強に及ぶ「エリザベス・リードの追憶」が白眉。ラストはアルバムタイトルになった20数年ぶりの新作である未発表曲「Better Late Than Never」で締めくくられる。 (C)RS