イタリアのヴァイオリニスト、フランチェスカ・デゴ。前作のブラームス/ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲(CHSA5333)に続き、ヴァイオリンとピアノのための2つのソナタと4つのバガテルを録音しました。どちらのヴァイオリン・ソナタもホ短調で書かれており、作品からはドイツ・ロマン派の影響が強く感じられます。第1番のソナタはブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番からインスパイアされたロマンティックな作品ですが、10年後に完成された第2番は内容が更に深まり、複雑な対位法が駆使されています。第3楽章にはJ.S.バッハのコラール「Wie wohl ist mir 幸いなるかな、おお魂の友」を主題とした長大な変奏曲が置かれています。2つのソナタよりも以前に書かれた4つのバガテルは、作曲家エゴン・ペトリのために書かれた作品で、ブゾーニはエゴン・ペトリの母親に恋をしていたとされており、それもあってか、ブゾーニの作品には珍しく軽快な音楽で、「生きる喜び」が感じられます。 (C)RS