五月革命の発火点となったパリ郊外のナンテール大学の3人の学生活動家と、激しい争議が展開されたルノー社フラン工場の2人の労働者が、工場付近の公団住宅脇の空き地で、終息したばかりの五月革命の体験をそれぞれの立場から総括する。だが、胴体や後ろ姿ばかりが映されるフレーミングによって彼らの顔は画面からほぼ完全に排除され、彼らの発言もまた、マルクスや毛沢東やチェ・ゲバラの革命的な文章の過剰なまでの引用によってたびたび遮られる。議論の様子をとらえたカラーのフッテージは、五月革命の最中のデモや集会やバリケードや占拠をとらえた白黒のフッテージと交互に示される。(Text by 堀潤之)