本作は世界初の女性のみのパンクロック・グループ、スリッツの歴史を70年代中ごろのバンド結成時から、 解散以後のメンバー個々のストーリー、2005年の再結成、そして2010年、本作の制作中に癌でヴォーカルの アリ・アップが亡くなるまでを追ったドキュメンタリー映画。 アーカイヴ映像や初めて公となる写真の数々、メンバーの証言やファン、プロデューサーや評論家など スリッツに影響を受けてきた面々のインタビューで構成された本作は、まさにアリ・アップの言葉が最も端的に作品を表わしている。 「私は人に好かれようと思ってここにいるのではない。私は人に聴いてもらうためにここにいるの」。 インタビューはスリッツの多くのメンバーたち、アリ・アップ、テッサ・ポリット、ヴィヴ・アルバータイン、 パルモリヴのほかオリジナルメンバーであるケイト・コラス、ブルース・スミス(SLITS/THE POP GROUP/PiLのドラマー)、 バッジー(SLITS/SIOUXSIE AND THE BANSHEESのドラマー)、再結成後のホリー・クック、 ドクターノウ、アデーレ・ウィルソン、アンナ・シュルテのほか、ROXY CLUBのDJでありパンクドキュメンタリー作家のドン・レッツ、 アルバム「CUT」のプロデューサーであるデニス・ボーヴェル、ポール・クック(THE SEX PISTOLS)、 ジーナ・バーチ(THE RAINCOATS)、アリソン・ウルフ(BRATMOBILE)など多岐にわたり、スリッツが如何に進化し、 世界中の人々に影響を与えていったかを描いている。 監督は2011年のデビュー作であるワシントン州オリンピアのバンドKARPのドキュメンタリー映画『Kill All Redneck Pricks: A Documentary Film about a Band Called KARP』が10カ国で上映され好評を博したウィリアム・E・バッジリー。 本作は長編第二作目となる。