【アーティストプロフィール】
宮北裕美(みやきたひろみ)
イリノイ大学芸術学部ダンス科卒。
舞台芸術の出演や振付を経て"立つ、歩く、座る"と言ったシンプルな動作、身の回りのモノや現象にダンスを見出し、即興パフォーマンスや視覚芸術の可能性を探る。
2012年、京丹後市に拠点を移し、浜で採集した自然の石を打つダンス「Nutu(ヌトゥ)」を創始、国内外で上演。
近年は美術館、鉄道、公園、路上、日本庭園など様々なサイト・スペシフィック・パフォーマンスを手がけ、
「その日のダイヤグラム-丹後~豊岡 パフォーマンス列車の旅」(京丹後市・豊岡市、2017年)、
「Distance and Density」(ボン、2018年)などをディレクションする。
ダンサーとして活動してきた固有の時間感覚や空間感覚を美術表現へと持ち込み、
映像作品「Drift」(ArtisTree、香港、2018)、個展「分身」(3331 アーツ千代田、東京、2019)を
発表している。
≪宮北裕美HP:https://miyakitahiromi.com≫
【作品への想い】
「2020年はコロナ禍に見舞われ、働き方や人との距離などライフスタイルの変更を迫られる年でしたが、
私は3月にロックダウンした欧州から緊急帰国し、拠点とする京丹後市網野町で刻々と変化する海や空を毎日眺めるようになりました。
この数年とても忙しかったのに、一転して丹後半島から何ヶ月も出ることなく、夏の眩い太陽の下や、夕暮れの海を眺めながら身体の鍛錬を続ける日々となったのです。
どこまでも続く海や空を前にすると、自分の存在や考えていることがいかに小さなことなのかと思うようになり、私たち人間も他の生命も、無生物や未だ解明や発見されていないあらゆるものすべてによって世界が形作られていることを体感するようになりました。
私たちの知らないウイルスが実は数十万種も存在しているそうで、ほんとうは私たちは未詳のものたちに囲まれて暮らしているのです。宮北裕美」