バンド創世記のエネルギーと衝動のままに突っ走ったファーストアルバム『webbing of ducking』(2018年)とセカンドアルバム『1994』(2019年)。3ピースバンドの限界突破を果たし、グローバルな視点でもオルタナティブロックシーンに新たなグルーヴの風を吹き込めるポテンシャルを獲得したサードアルバム『LIFE IS TOO LONG』(2021年)を経た、4枚目のアルバムが完成した。音楽的な幅もサウンドプロダクションも、アップデートを遂げていることは一聴してわかる。しかしそれは単なる経験からくる成長ではない。むしろ経験よってできるようになったことにピュアなオリジナリティやアイデンティティはあるのか否かという地点に立った、二度目の初期衝動的とでも言いたくなるような自由でタフなクリエイティビィティが光る。今までのポリシーを解体し、意味やテーマを排除したり世の中の喧騒と正面から向き合ったりと、試行錯誤を繰り返しながらピュアネスを高めることで生まれた決定的な作品。