初期には先鋭的な電子音楽作品で独特のアート性と実験性を提示し、〈Warp〉と契約した2018年以降は、グラムロックに接近すると、独自のロック・サウンドを展開しながら大胆に音楽性をスケールアップさせてきたイヴ・トゥモア。いまや次世代のロックスターへと変貌を遂げたイヴ・トゥモアが、キャリア史上最も完成度の高い最新作『Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)』のリリースを発表!異形のロック・アイコンとして覚醒したことを確信させる最新作では、ロック、サイケデリア、エレクトロニカを融合させ、ポップミュージックの概念を再構築すると同時に、現代アートとカルチャーの境界線を自由自在に往来する。イヴ・トゥモアの芸術性が頂点に到達したことを証明する名盤となっている。
『齧るが喰わぬ主君を讃えろ』という謎めていて壮大なアルバム・タイトルを冠した本作は、イヴ・トゥモアにとってこれまでで最も私的なステートメントでもあり、暗闇と光、ポップと革新、不協和音と崇高な静寂という相反する要素を織り交ぜながら、多様な精神の旅へとリスナーを導くものである。昨年11月にリリースされたシングル「God is a Circle」を出発点とするアルバムは、一度聴いたら耳から離れない中毒性のあるメロディーと革新的なアレンジに満ち溢れており、あわせて解禁された新曲「Echolalia」でも、それが見事に証明されている。映像アーティストのジョーダン・ヘミングウェイが監督を務めた「Echolalia」のミュージックビデオは、ガリバー旅行記へのオマージュを込めたコンセプチュアルな映像となっている。