本作は2020年5月にNETFLIXで公開されたナディア・ハルグレン監督による元ファーストレディ、ミシェル・オバマに密着したドキュメンタリー映画のために書き下ろされた新曲と再録された過去の楽曲を含む全15曲を収録。カマシが全楽曲の作曲とプロデュースを手がけ、ライアン・ポーター、マイルス・モズレー、キャメロン・グレイヴス、トニー・オースティンらネクスト・ステップの面々と父リッキー・ワシントンといった馴染みのメンバーに加え、ディアンジェロ、ジル・スコット、ローリン・ヒルらのバックを務めるトランペッターのドンテイ・ウィンスロー、NYコンテンポラリー注目の即興演奏家ショーン・サンダレガー、LAの手練ケネス・クラウチがレコーディングに参加。清々しい高揚感を纏ったライトメロウな表題曲「Becoming」、あまりにも耽美なピアノを背に優しいサックス・ブロウが染み渡るバラード「Song For Fraser」、バンド・アンサンブルとストリングスがゆっくりと溶け合う中でカマシの祝砲が上がる「I Am Becoming」などあくまで画面に寄り添いながらも、シンプルなテーマや旋律が美しく煌めくウェストコースト・ジャズが爽やかに駆け抜ける名演をおさめた一枚となっている。