ベイルート出身で現在はフランスで活躍、父親の開発した微分音(四分音)トランペットを操るイブラヒム・マーロフ。『Capacity to Love』は、それぞれの違いを主張することが分裂を招くような現代において、包括、共有、アイデンティティを讃えるための賛歌。このアルバムを彩る希望と寛容さは、驚くほど豪華で意外なゲストたちが一層高めている。エレクトロ、ヒップホップ、ストリート系のビートやダンサンブルなナンバーが多い中にあって、リズムもメロディもほとんどなく、シャロン・ストーンが自ら書いた言葉で強く語り掛けるトラック14は圧巻。 (C)RS