■12インチ(300mm)ピュアパルプコーン・ウーファー「JW300SW」
ダイナミックなレスポンスと超低歪特性を両立した12インチ(300mm)径ウーファー。K2 S5800のために開発された“1200FE”系ユニットの特徴を受け継ぎながら、最新の解析技術を取り入れより低歪に、より高分解能なサウンドに生まれ変わった専用設計の強力ウーファーユニットです。
■5インチ(125mm)ピュアパルプコーン・ミッドレンジ「JM125PC」
伝統の3ウェイ・コントロールモニターにおいて、その大きな特徴ともなっている良質なボイスレンジを担うスコーカーとして、更なる低歪とフラットレスポンスを目的に開発された5インチ(125mm)径ポリマーコーティング・ピュアパルプコーン・ミッドレンジユニットです。
■1インチ(25mm)アルミ-マグネシューム合金ドームツイーター「054AlMg-1」
新世代モニターに課せられた良好な超高域レスポンスを獲得するために開発されたアルミ-マグネシューム合金ダイアフラムと強力なネオジム・マグネット採用の25mm径ドームツイーターです。
■高品位3ウェイネットワーク
優れたレスポンスを誇る最新ユニットの持ち味を最大限に引き出すため、4312SE譲りの高品位素子を用いた3Wayネットワークを内蔵。伝統のHF/UHF連続可変アッテネータも装備しています。
■伝統のキャビネットデザイン
伝統のディメンションを継承したキャビネットには全面高比重MDF材構造を採用。接合部には数十ヶ所にわたる内部補強を施すことで剛性を高め、強力な新開発ユニットの優れたレスポンスを活かしています。 ※左右スピーカーの設置について JBL 4312Gは左右対称の一対のスピーカーとして販売され、1基は左側にツイーターがあり、もう1基は右側にツイーターがあります。 どちらのスピーカーが左チャンネルでどちらが右チャンネルなのかは、スピーカーからのリスニング距離、部屋の幅、部屋の音圧反射率など複数の要素の組み合わせによって決まります。 詳しくはJBLメーカーサイト、4312Gページのサポートの欄から「OWNER S MANUAL_JP」の「左右スピーカーの設置」をご参照ください。
モニター的でありながらジャンルを選ばない懐の深さを持つ、JBLの新定番スピーカー
何と言っても、本機の魅力はまずは30cmの大型ウーファーを搭載していることにある。余裕のある低域を体で受け止める醍醐味を感じられつつ、各帯域が豊かに混じり合った、一体感の高い音が届いてくることが実に快い。ジャズやロック、ポップスはもちろんのこと、クラシックも充分に楽しめる懐の広さを持っているのだ。
ジャズボーカル音源を再生してみると、たっぷりとした低域再生が胸に迫ってくる。ピアノやウッドベースなども、余韻豊かでふくよかな輪郭の音像となっており心地よい。
ポップス音源の女性ボーカルは、温かくも瑞々しさを持ったサウンド。自然な開放感で、スッと心に染みこんでくるかのような訴え方だ。
オーケストラを再生してみると、ティンパニなどの打楽器のボトムがふくよかに響き渡り、余韻たっぷりと豪快に聴かせてくれる。各帯域のバランスがよく、嫌味や癖、そして抑制感のない、生き生きとした質感を味わえるのだ。
さらにトゥイーターとミッドレンジ用の連続可変アッテネーターが搭載されているため、音域バランスを手軽に調整することも可能。どんなジャンルも楽しめる、実にユーザーフレンドリーなスピーカーである。
文:生形三郎
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。
1970年代初期に登場した4310からマイナーチェンジを繰り返し、発展してきた伝統シリーズの最新機だ。聴いてみて、その大変わりに感心した。かつての4312D(2004年)は中域膨張型の個性派だった。こってり、ねっちりとした古めの質感だが、アコースティックな古いジャズなど、最高だった。
最新の4312Gは鮮やかに変身。中域だけに固執せず、周波数レンジがワイドになり、すっきりと、伸び伸びと鳴る。得意分野もかつては古典的なジャズに限られていたが、新しい4312Gはクラシックからヴォーカル、ロック、そしてもちろんジャズも……と、守備範囲が格段に広くなった。
技術的にはこれまではウーファーを全帯域で鳴らしていたが、今回は正式にネットワーク回路で帯域を分け、本格的な3ウェイを構成したことが解像感に大いに効いた。30cm大型ウーファーの低音力も感動の要素だ。最近は、これほど大きなウーファーを搭載するスピーカーが少ないから、今どき貴重な低音感が体感できる。無理して押し出しているという感じではなく、悠々とした鳴りっぷりの良さと、厚み感の表現が素晴らしい。