ビギナーの方にこそ「いい音」を、という開発目標を掲げ、Eシリーズの第一弾として、「E3000/E2000」を発売いたしました。その後、リケーブルモデル「E5000/E4000」を発売し、大変ご好評をいただくなかで、特に中高生の方々から、Eシリーズを買いたいけど高くて買えないというご意見を多数いただきました。イヤホンを替えるだけで、大好きなアーティストが耳元でささやき、飽きるほど聴いたイントロが全く違った音楽に聴こえる。そんな心を揺さぶられる経験を若い方々にして欲しい、もっとオーディオを面白いと思って欲しい。そのような思いを込めて、限られたコストのなかでの苦しい開発ではありましたが、E1000の製品化に踏み切りました。音質は、弊社のフラッグシップヘッドホンである「D8000」の研究開発で培った最新の音響工学と音響心理学を盛り込み、チューニングを行いました。E1000の音質は、低音から高音までクリアでバランスの良いサウンドで、ライブで生演奏を聴いているような臨場感と音の広がりを実現しています。はじめての本格イヤホンとして手にとっていただきたい、finalが提案する新しいエントリー機です。
<特長>
■音響工学、心理学に基づいた音作り
最新の音響工学、心理学の研究成果を踏まえ、音質設計を行いました。高域に鋭いピークを持たせ、ある部分を強調するという一般的な音作りの手法を使うと、一聴して鮮やかさを感じさせるのですが、そのピークによって、前後の帯域がマスキングされて聴こえにくくなってしまいます。Eシリーズでは周波数特性のカーブを全体に滑らかにする事で、マスキングされる帯域を作らず、高い解像度を実現しました。
■独自のイヤーピーススィングフィット機構
イヤーピースを左右に振ることができる、スウィングフィット機構により、耳道の傾きにジャストフィット。イヤーピースの開口部が耳道にあたる事による変形を防ぎます。音がダイレクトに鼓膜に伝わり、クリアな音を実現しています。
■6.4mmダイナミック型ドライバーユニット
ドライバーユニットは、部品と組立の精度が最重要です。
今回採用した小口径6.4mmφダイナミック型ドライバーユニットは、この価格帯としては異例の高い精度を誇ります。
■生演奏を聴いているような臨場感と音の広がり
ライブ会場といってもそれほど広くなく、全体に響く音というよりは楽器から伝わる直接音を中心に聴くような音色です。
低音から高音まで、クリアでバランスの良いサウンドですので、特にジャンルを選ぶことなく、楽しく音楽を聴くことができます。
■左右軸色違いのオリジナルイヤーピース
音導管部分と耳に触れる部分とで硬度が異なる2種類のシリコン素材を採用。音導管部分には、耳に触れる部分に比べて硬度が高いシリコンに溝加工を施すことで強度と柔軟性を両立。耳に触れる部分には硬度の低いシリコンを採用し、快適な着け心地と高い遮音性を実現しました。
軸色を片方はグレー 、もう一方を赤にすることでイヤーピースを少しめくってイヤーピースの軸色を確認することで、 薄暗い場所でも左右の見分けがつきやすくなっています。
さらに、隣のサイズの軸色が異なる(グレー軸は濃いグレーと薄いグレーの交互、赤軸は赤とピンクの交互)ので、サイズの判別もしやすくなっています。サイズはSS / S / M / L / LL の5サイズです。
■柔軟で太めのケーブルを採用
断線を防ぐ為に、柔軟で太めのケーブルを採用しました。
■カラーバリエーション
BLUE、RED、BLACK、3色のカラーバリエーション。
コスト投入ではなくノウハウ投入で磨かれたサウンド
このイヤホンが届けてくれる音のポイントを簡潔にお伝えするならば、「エントリー受けを狙った派手な音作りではなく、エントリーユーザーにこそ『良い音』を届ける音作りをしてある」「ハイエンド的な表現までは欲張らず、エントリークラスならではの明快な『良い音』を打ち出している」の二点だ。
ぱっと聴いただけで「これが良い音というものか!」とわかりやすいサウンドだが、余計な装飾はない。「良い音って何だろう?」という方も、このイヤホンを基準にしておけば先々まで間違いはない。そんな基準になるサウンドだ。
このイヤホンによってリスナーの耳はすくすく育ち、するといずれ、このイヤホンに物足りなくなるユーザーも出てくるはず。音楽ファンが良い音で聴く喜びを知り、もっと良い音を求めるようになったなら、それこそ、このイヤホンが本懐を遂げた瞬間である。finalのその願いを、あなたのその耳で受け取ってほしい。
文:高橋 敦
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。