新規会員登録
グランドセイコーは、人生をともに歩む腕時計として時計の本質を追求し、進化を続けています。
機械式時計の聖地 雫石高級時計工房
グランドセイコーの機械式時計を担う「雫石高級時計工房」は、岩手県雫石町にあります。機械式時計の心臓部を司るひげぜんまいや歯車など、部品の設計・製造から組立、調整、検査、出荷まで一貫して行うマニュファクチュールです。「現代の名工」や「黄綬褒章」を受賞した技能士をはじめ、時計技能競技大会で優秀な成績を修めた技能士が数多く在籍しており、彼らの卓越した匠の技が世界最高峰の機械式時計を生み出しています。約200点ものパーツで構成されるグランドセイコーの機械式時計は、1点1点のパーツ精度が、完成品の精度を大きく左右します。高精度なパーツ製造技術と、それを1/100mm単位で調整しながら組み上げていく職人技、その2つが隣り合って存在し、相互に微調整し合える環境が、時計史に残る数々の名機を誕生させているのです。
機械式時計
機械式時計は、ぜんまいを動力源とし、針の動きで時刻を知らせるスタイルの時計が誕生して以降、変わることなく受け継がれる駆動方式です。巻き上げられたぜんまいが解けようとする力を利用して、歯車を一定のスピードで回転させるこの駆動システムは、「てんぷ」「アンクル」「がんぎ車」で構成される調速・脱進機構によって、精度を調整しています。「がんぎ車」の回転を一定のリズムに制御する「アンクル」は、「てんぷ」の規則正しい振動を基に作動しています。「てんぷ」が振り子のような規則正しい往復運動を繰り返すことで、ぜんまいの解ける速度が一定(=調速)かつ、長時間かけて解けるようコントロールされているのです。その一定の動きが、時針、分針、秒針に伝わり、時を表示します。
精度を支える柱「てん輪」
てんぷの輪の部分である「てん輪」は、アンクルの反復運動を調節・制御し、振動を一定速度に保つ役割を果たしています。回転を安定させるために0.000001g単位で重量調整が行われるほど、時計の精度を左右する重要なパーツのひとつなのです。非常に繊細なパーツであるため、わずかな温度変化が収縮や膨張の原因となって、変形してしまうこともあります。そこで9Sメカニカルでは、通常2~3本である支柱を4本に増設することで、支えをしっかりとし、温度差がてん輪の形状、ひいては精度に与える影響を少なくしています。部品をつくる手間が格段に増すことは承知のうえで、変形を防ぐための工夫を凝らしています。
Chronometerを超える高い精度基準
1960年に誕生した初代グランドセイコーには、スイス・クロノメーター規格に合格した証である「Chronometer(クロノメーター)」がダイヤルに刻まれていました。しかし現在のグランドセイコーに「Chronometer」の文字を見つけることはできません。その理由は「新GS規格」にあります。1998年に制定されたこの規格は、スイス・クロノメーター規格よりも高い精度基準なのです。その「新GS規格」をさらに越える、「グランドセイコースペシャル(GSS)規格」が、9Sメカニカルには存在します。熟練の時計師が、通常の機械式時計の何倍もの時間をかけてようやく到達できる精度基準であるため、1年間にごくわずかしか生産することができません。
17日間におよぶ検定試験
9Sメカニカルは、17日間におよぶ厳格な規格に基づく独自の検定試験を受けなくてはなりません。6方向の姿勢差、3段階の温度で設定したさまざまな条件下において、時間の進みや遅れ(日差)が基準値内に収まらない限り、グランドセイコーの冠をつけることはできません。