新規会員登録
「重箱」とは
おせち料理は「めでたいことを重ねる」という願いを込めて、重箱に詰めて重ねられます。
昔は四段重が基本で、その控えとして五段目が用意されていましたが、近年では三段重や四段重が多く用いられます。重箱は上から「一の重」「二の重」「三の重」「与(よ)の重」と数えます。四段目を「与の重」と呼ぶのは、四(し)の字が死を連想させて縁起がよくないためといわれています。なお、控えの「五の重」は何も詰めずに用意することが多かったようです。これは、まだ「繁栄・発展する余地がある」ということを表しています。
重箱一段に詰める食材は「陽数」と呼ばれる5品、7品、9品といった奇数にすると縁起がよいといわれています。魚や海老など頭が付いている食材は、頭が左にくるように詰めます。
詰め方にはさまざまな方法があります。たとえば「市松」は、縦に3つ、横に3つの市松模様に詰める方法で、9種類の料理を詰められます。「段取」は、横一線に仕切って詰める方法で、料理の数によって3列や5列などにできます。「手綱」は、馬の轡(くつわ)につける手綱の形のように、斜めに仕切って詰める方法で、3列や5列などにできます。「隅切」は、四隅の三角形と中央のひし形に仕切る方法で、5種類の料理を詰められます。中央に海老やタイなど、色や形がはっきりした料理を詰めると華やかになります。味と彩りの調和を考えて、詰め込みすぎないことが肝心です。
おせち料理の意味・由来
弥冨 秀江 (いやどみ ひでえ)
管理栄養士。女子栄養大学生涯学習講師。株式会社ヘルスイノベーション代表。長年の病院、企業での豊富な栄養指導、臨床経験をもとに、出版、出筆活動、企業の食品およびメニュー開発など食事療法の新しい領域を創造する。