おせち料理の定番の中身。
縁起物の食材の構成や品数を解説

おせちを「重」に入れると「福が重なる」

おせちのサイズは色々。重箱の選び方を解説

■人数に応じた重箱のサイズの例

1人:
4寸(約12cm)一段重~二段重
2人:
5寸(約15cm)一段重~二段重、6.5寸(約19.5cm)二段重
3~4人:
6.5寸(約19.5cm)三段重
5~6人:
6.5寸(約19.5cm)四段重、7.5寸(約22.5cm)三段重
7~8人:
6.5寸(約19.5cm)六段重、8.5寸(約25.5cm)三段重

おせちの構成・品数など定番知識を解説

おせち料理の構成

おせち料理の食材は、「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」の5種類。
重箱の詰め方には伝統的なルールがあり、一の重には「祝い肴」「口取り」を詰め、二の重には「焼き物」などのメインの料理を詰めます。
そして、三の重には「酢の物」、四の重は「煮物」を詰めます。

重箱の段数は通常四段ですが、地域によっては五段の重箱を使用することもあります。この場合、五段目は空にしておき、年神様から授かった福を入れるための「控えの重」として使われます。

おせち料理の品数

おせち料理は基本的に「奇数」の品数で構成されています。
これは、日本では昔から奇数が縁起が良いとされているのが由来で、一般的には20~30種類程度の料理が盛り付けられます。

おせちに使われる主な料理一覧

【一の重】「祝い肴」と「口取り」

数の子

数の子は、たくさんの卵を含むことから、繁栄や幸運を象徴する食材として知られています。

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かまぼこ

かまぼこの赤色は邪気払いの効果があり、白は清らかさや神聖さを象徴しています。また、その形が「日の出」に似ていることから、縁起物としても知られており、おめでたい意味も持ちます。

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栗きんとん

栗きんとんは、黄金に見える色合いから繁栄や富、豊かさを表す食材とされます。さらに、栗自体が秋の収穫の象徴であるため、豊穣や幸福を願う意味も込められています。

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黒豆

黒豆は、その色から太陽の恵みを受けて日焼けした健康的な身体や、マメな生活を送ることで健康であることを表す食材とされています。

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昆布巻き

昆布巻は、「こぶ」の音が「喜ぶ」と似ていることから、喜びや幸福をもたらす縁起物とされています。また、昆布は古くから長寿のシンボルとされ、健康と縁起の良い食材としても知られています。

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たたきごぼう

たたきごぼうは、ごぼうの根を打ち付けて繋ぎ合わせることから、家族や地域社会の絆を象徴する食材とされます。またごぼうは地面に深く根を張ることから、家庭や家業が地域に根づくことを願う食材でもあります。

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田作り

田作りは、いわしの稚魚を使った料理。いわしを肥料として利用した田畑が豊作になったことから、五穀豊穣の願いが込められています。

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伊達巻

伊達巻は、形が巻物に似ていることから知的好奇心と学問への意欲を呼び起こす食材とされています。

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錦玉子

錦玉子は、黄身と白身が二層に織りなす彩りが金銀にたとえられ、豊かさや繁栄を象徴する食材です。また、「錦」の語呂合わせで縁起を担ぐとともに、新しい年を祝い、よいスタートを切れるように願いが込められています。

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【二の重】焼き物

あわび

あわびは、長寿で20年以上生きることから、不老長寿のシンボルとされています。そのため、縁起の良い食材としておせち料理にも定着しています。

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海老

海老の長い触角と腰の曲がりは、長寿の象徴と考えられ、長い人生を送ることを祈る縁起物として知られています。

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金柑

金柑は、「金冠」と掛けて豊かさや財運を象徴する果物とされます。さらに、運を表す「ん」の文字が名前に含まれていることから、金運を招く縁起の良い食材とも考えられています。

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ズワイガニ

ズワイカニは、大きなハサミを上下にパチパチと鳴らす様子が、豊かな収穫や商売繁盛をもたらす手拍子のように見えることから、縁起を担いでいるとされます。

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鯛は、語呂合わせで「めでたい」と言われ、また赤い色合いからも縁起の良い魚として知られています。また、七福神の恵比寿様が持つ魚としても有名で、商売繁盛や幸運を招くとされています。

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トコブシ

トコブシは「フクダメ」とも呼ばれ、その名の通り「福がたまる」との願いが込められています。また、貝殻に九つの穴が開いた珍しいあわびを食べると長寿になる「九穴の貝」という言い伝えがあり、希少な九穴の貝の代わりにトコブシが食されるようになりました。

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ブリ

ブリは成長するにつれて名前が変わることから、出世や成功を象徴する食材です。また、旧暦の五月五日に行われる端午の節句の際には、鯉のぼりとともに飾られることもあり、男の子の健やかな成長を祈る縁起物としても知られています。

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棒鱈

「たら(鱈)ふく食べられる」という言葉の語呂合わせから、鱈を使った棒鱈は縁起物とされています。この言葉には、「一年中食べ物に困らないように」という願いが込められています。

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ローストビーフ

現代のおせち料理によく使われるローストビーフ。洋食のなかでも広く愛される料理であり、高級な牛肉を使用していることから豪華さを演出することができます。縁起を担ぐわけではありませんが、お祝いの席にはぴったりの一品とされています。

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【三の重】酢の物

梅干し

梅干しは老人の皮膚のようにシワが寄っていることと、梅の木が長生きであることから「長寿」の縁起を担いでいるとされています。

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菊花かぶ

菊花かぶは、日本の国花である菊を模した形状からその名前がつきました。邪気を払うとされる菊の花になぞらえて、長寿を願う縁起の良い食材として食されます。

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こはだ

コハダは縁起の良い「出世魚」とされます。黄色に染めた粟とクチナシで漬けた「金柑」と合わせて「五穀豊穣」を表現し、縁起を担ぐ料理としておせちに盛り込まれます。

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酢だこ

たこの赤色は古来より「魔除け」の意味があるとされます。また、タコが逃げる姿勢や墨を吐く「苦難を煙に巻く」、さらに漢字で「多幸(たこ)」と当てることができるため、一年中幸せであるようにという願いが込められています。

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ちょろぎ

ちょろぎは、漢字で「長老喜」や「長老木」と書くことから、長寿を願う縁起物として知られています。

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なます

紅白なますは、水引を模した色合いから、平和や平安を願う縁起物として知られています。

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【与の重】煮物

くわい

くわいは、大きな芽が出ることから縁起が良い食べ物とされます。また、「くわ」を「か」と表記することで「快(かい)」となり、「快く1年を過ごせますように」という意味合いも含まれています。

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こんにゃく

真ん中がねじれた「手綱こんにゃく」は、結び目を「縁結び」と掛けて、良縁や夫婦円満を願う縁起物としておせちに用いられます。また、武家社会の風習から、心を引き締めて自己戒勉する意味合いも込められています。

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里芋

里芋は、親芋からたくさんの小芋が生えることから「子宝繁栄」を象徴し、「子宝に恵まれますように」という願いが込められています。

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たけのこ

たけのこは、素早く成長して天に向かって伸びる様子から「飛躍的な成長」や「家業発展・家運隆盛」を表現する縁起物です。また、子どもたちの健やかな成長を祈る願いも込められています。

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筑前煮

筑前煮には里芋やたけのこなど縁起の良い食材が使われています。また、しいたけは、かつて採ることが難しく、贅沢品として扱われて縁起物として重用されてきました。筑前煮にしいたけを使用する際には、長寿を祈る願いが込められ、六角形に模様を刻むことで亀の甲羅に見立てることもあります。

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煮しめ

煮しめは、さまざまな山の恵みが集められ、一つの鍋で煮込まれることから、家族や仲間たちが団結し、絆を深めることを象徴する意味が込められています。また、各食材には縁起を担いだ意味が含まれています。

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れんこん

れんこんの網目状の穴は「将来の可能性が広がり、見通しがクリアになるように」という意味が込められ、縁起の良い食材とされます。また、れんこんには多数の種があることから「子孫繁栄」の願いも含まれています。

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八幡巻き

八幡巻きは、ごぼうと鰻を使った京都府八幡市発祥の郷土料理。ごぼうの形から、「幸運が長く続きますように」という願いが込められています。また地元の名前がつけられていることから、地域の誇りや愛着も表現されています。

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ゆりね

ゆりねの鱗茎が花びらのように重なり合っている様子は、出会いや縁を大切にすることを表しています。また、麟弁を子宝に見立てることで、子孫繁栄や家族の絆を象徴する花とも考えられています。

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【五の重】は「何も入れない」控えの重

縁起の秘められた「おせち料理」で、
幸せを呼び込む新年を迎えよう

記事監修

弥冨 秀江 (いやどみ ひでえ)

管理栄養士。女子栄養大学生涯学習講師。株式会社ヘルスイノベーション代表。長年の病院、企業での豊富な栄養指導、臨床経験をもとに、出版、出筆活動、企業の食品およびメニュー開発など食事療法の新しい領域を創造する。

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